【未経験者向け】デロイトトーマツコンサルティングへの合格方法を転職エージェントが解説

みなさん、こんにちは。転職イロハ運営のタカです。

コンサルファームへ転職を検討する方から「デロイトトーマツコンサルティング（以下DTC）社はビッグ４の中でも敷居が高いイメージがある」「DTCに入るために必要なスキル、準備を教えてほしい」といった相談を受ける事があります。

難易度は大手コンサルファームの中でも高い方ですが、DTCについて正しく理解し、しっかりと対策を行うことで合格可能性は格段に上がります。

デロイトトーマツグループは様々な業界に対して、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務、コンサルティングと複数のサービスを展開していますが、今回はコンサルティングに特化した“デロイトトーマツコンサルティング合同会社”についてのアドバイス記事とさせて頂きます。

DTCは他ファームと比較しても各業界（インダストリー）に強いベテランコンサルタントが多く在籍しておりますので「コンサル業界で少しでも早く成長していきたい」とお考えの方にはおすすめのファームです。

当記事をお読み頂く事でDTCの会社概要、仕事内容、選考内容についてイメージし、合格するためのステップを理解頂く事ができます。

コンサル希望者の方は合わせて下記記事もお読みいただく事で理解が深まります。

 【意外と知らない】未経験でコンサル業界に入る時の準備とは～転職エージェントが解説～ 

それではDTCに関する解説を進めて参ります。

1. DTCってどんな会社？

デロイトトーマツグループの名前は聞いた事が多いかと思います。一方で何をしている会社かの実態をつかめていない方が多いようにも見受けられます。

それでは解説を進めて行きます。

1.1 DTCグループ概要

世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツの主要メンバー企業でり、世界150ヵ国、25万人以上のコンサルタントが様々な業界に対して、経営戦略・M＆A・IT・組織など多岐にわたる専門サービスを提供するグローバル経営コンサルティング集団です。

世界4大コンサルティングファームとしてビッグ４（ビッグフォー）の一角に入ります。

1.2 DTCコンサルティング合同会社概要

日本ではデロイト トーマツ グループに属しています。DTCはデロイトの一員として日本のコンサルティングサービスを担い、デロイトおよびデロイト トーマツ グループで有する監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーの総合力と国際力を活かし、あらゆる組織・機能に対応したサービスとあらゆるセクターに対応したサービスで、提言と戦略立案から実行まで一貫して支援するファームです。

3,600名規模のコンサルタントが、デロイトの各国現地事務所と連携して、世界中のリージョン、エリアに最適なサービスを提供できる体制を有しています。

英語力は必須ではありませんが、留学経験やビジネス英語の経験があると書類通過率が上がりやすい傾向にあります。

コンサルティングサービスの詳細は下記となります。

① ストラテジー・アナリティクス・Ｍ＆Ａ

テーマとして「全社・事業戦略」「Ｍ＆Ａ戦略」「グローバル戦略」といった戦略プランニングに関わるサービス提供を行います。

② カスタマーマーケティング

ブランドが未来の顧客へ優れたサービスと価値を提供するために、データドリブンな変革と創造、最新テクノロジーを駆使した顧客中心のアプローチによって、企業のマーケティング戦略を支援します。

テーマとしては「カスタマーデザイン」「広告・マーケティング・ＥＣ・ブランド 」「デジタルカスタマー」といった多岐にわたるサービス提供を行います。

③ インダストリーソリューション

既存のテクノロジー基盤を変革し、近代化し、実行するための革新的なアプローチを行います。 製品とサービスの機能強化、財務パフォーマンスの向上、および市場投入までの期間短縮促進を重要と捉え、テクノロジー視点で支援をします。

主なテーマとしては「オペレーショントランスフォーメーション」「インダストリーソリューション」「システムエンジニアリング」「クラウドエンジニアリング」

といったDX推進のキーとなるサービス提供を行います。

④ ヒューマンキャピタル

人財の課題はビジネス上の問題と見なし、ＨＲ課題に取り組みます。テーマとしては「人事機能変革」「組織変革」「人材変革」といった組織・ヒトに関わるサービス提供を行います。

⑤ エンタープライズテクノロジー・パフォーマンス

ファイナンス、サプライチェーン、およびIT業務への投資から最大の成果を得るために、テクノロジー戦略からプロセス設計および導入に至るまで総合的に支援します。

主なテーマは「テクノロジーストラテジー・トランスフォーメーション」「SAP」「Oracle」「ファイナンスパフォーマンス」「サプライチェーン・ネットワークオペレーション」などITシステムをメインとしたサービス支援を行います。

2.DTCコンサルティングの組織はどうなっている？

コンサルファームの組織を理解するためには「総合系or専門系」と「業界×サービスの組織区分」を知る事が重要です。

2.1 総合系or専門系？

DTCは合系ファームとして全ての業界に対して全てのサービスを提供しています。

クライアント企業の目安としてグローバル企業、大手企業をメインにサービス提供を行っているのも特徴です。

2.2 業界×サービスの組織区分は？

企業内ではマトリックス状に業界グループとサービスライン（技術）があり、それぞれ一つずつ所属し、2つの重なった部分が個人（コンサルタント）の専門分野となります。

社会状況によって区分変化はありますが、業界グループについては、

「コンシューマー」（自動車、消費財、小売・流通、航空運輸・ホスピタリティ・サービス）

「資源・エネルギー・生産財」（産業機械・建設、鉱業・金属、石油・化学、エネルギー）

「金融」（銀行・証券、保険、インベストメントマネジメント、不動産）

「政府・公共サービス」（中央省庁・地方自治体、防衛・治安、医療・介護、国際開発、公共交通）

「ライフサイエンス・ヘルスケア」（ヘルスケア、ライフサイエンス））

「テクノロジー・メディア・通信」（電機・ハイテク、通信・メディア・エンターテイメント）

で構成され、サービスラインは、

戦略、マーケティング、IT、組織 等の企業経営に必要な機能に合わせて存在します。

3.DTCコンサルティングの年収はどれくらい？

DTCはビッグ４（4大監査系ファーム）の年収水準の中でも50～100万ほど高めをイメージしておくと良いです。

基本的な年収の構成はベース＋残業代＋賞与となります。

※マネージャー以上になるとベースで1000万円を超えるケースが多く管理職扱いのため残業代は発生しなくなります。

3.1 タイトル別年収イメージ

コンサルタント・・・年収550～750万円

シニアコンサルタント・・・700～1100万円

マネージャー・・・1000～1600万円

シニアマネジャー・・・1400～2000万円

パートナー・・・2000万円～

※順当な評価を得ていれば年間50～100万程度の報酬アップが見込めます。

4.DTCコンサルティングと他ファームとの違いは？

DTCコンサルティングは、グループ企業である「監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリー」との連携を軸としたアカウントマネジメントに強みを持っています。インダストリー側に強いため、長期案件を獲得することのできるベテランコンサルタントも多数在籍しています。

特に資源・エネルギー領域はDTCが強みとする業界になります。

5.DTCコンサルティングの選考プロセスはどうなっている？

コロナ渦以降は全ての選考がWEBで実施されています。

ポジションと経験によってケース有無、適性検査有無は異なります

5.1 選考プロセス

通常は書類選考後→適性試験（TG-Web形式）→面接2～3回を目安に選考が行われます。

一次：現場（マネージャークラス）、二次：現場（シニアマネジャークラス）、三次：現場（パートナークラス）のように選考プロセスが進む中でタイトルの高い社員が出てきます。

※第二新卒者の方はpool組織採用で進むことが多いです。

適性検査は下記ページをご参考ください。

https://jyosiki.com/spi/TG_dif.html

5.2 ケース面接例

テーマについては面接担当官の趣向も入ってくるため参考程度になりますが「食品メーカーの業績を改善するための施策を提案してください」「愛媛県が人口を増やすための施策を考えてみてください」などがございます。基本的には選考ポジションに関するテーマ（戦略、マーケ、IT等）に沿ってケース面接が組まれることが多いです。

ケース面接については基本構造を理解する事が大切なので、下記記事をご参照ください。

 【転職活動中の人向け】面接で合格する４つの準備 

 コンサル業界で必要な業務スキルを身に着けるための書籍紹介～コンサル専門エージェントが解説～ 

6.DTCコンサルティングの面接で聞かれることは？

コンサルファーム全体でよく聞かれる内容と差ほど変わりませんが、下記の質問事項については事前に準備しておくと良いでしょう。

特に志望動機は重要ですので項目を分けて「7」で解説致します。

① 今までの経歴、現在の仕事を含めた自己紹介

② 各経歴の深堀り（なぜその会社を選び、どのような業界、顧客を担当していたのか）

③ コンサルファームへの志望動機

④ DTCへの志望動機（間接的にDTCへの理解を確認されます）

⑤ 5年後どうなっていたいか。何を実現していたいか。

⑥ DTCの強み、弱みは何だと理解されているか。

⑦ 過去３年ほどの成功体験、失敗体験

7.DTCコンサルティングへの志望動機の伝え方は？

総合系のコンサルファームだと全て同じように見える方もいると思います。

コンサルファームの中でもどうしてDTCなのか、は必ず聞かれますので答えられるように整理しておきましょう。

DTCの特徴を表現すると「インダストリーに強い」「監査等の他サービス連携が強い」点になります。

参考になるように表現すると、

① 資源インダストリーに強みがある点

② 監査、税務等の他サービスの知見も取り入れながら課題解決できる点

③ 全業界、サービスの組織があり幅広いキャリア構築、価値発揮が出来る点

などに興味をもったのでDTCを第一志望で考えていると伝えるのが良いでしょう。

8.DTCコンサルティングからの転職先は？

競合となる大手ファーム、新規設立ファーム立上げ、のようにコンサルファームに同業界転職するケースと、グローバル企業の経営企画室（例：ソフトバンク、リクルート）に転職するケースが見受けられます。

今後もグローバル企業におけるDTC出身者の活躍は益々広がっていくと想定されます。

現役コンサルタントの方は準備に余念がない方が多いです。

未経験でもコンサル業界を志望する以上はしっかりと準備をしてのぞみましょう。

参考ページ（DTC公式ページ）https://www2.deloitte.com/jp/ja/services/consulting.html?icid=top_consulting

以下も合わせてお読みください。

 コンサルティングファームに転職する求人サイト３選、人材エージェント４選