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みなさん、こんにちは。転職イロハ運営のタカです。
キャリア面談をする際に「今は求人が多いですか?」と聞かれる事が増えてきました。
東証一部の転職エージェントにて企画責任者として転職動向を予測していた経験から、2021年7月~9月の転職市況を「有効求人倍率」「コロナ感染者数」の推移と「転職エージェントの考察」をもとに解説して参ります。
当記事をお読み頂く事で2021年度の転職市場を正しく理解し、転職活動を進めるべきか一旦止めるべきかを判断する事ができます。
<記事を届けたい人>
1.転職のタイミングに迷っている人
2.転職市場について知りたい人
3.転職活動真っ最中の人
もし、これから転職活動を検討される方は合わせて下記記事も読んでみてください。
【はじめて転職活動する人向け】転職の概念を知り失敗を避けよう
それでは2021年7月-9月の転職市場について解説していきます。
<まとめ>
■好材料
・有効求人倍率は回復傾向にある
・企業業績(4-6月)はコロナ前の状態まで回復している
■悪材料
・コロナ感染者が過去最高の推移となっている
■見解
・ワクチン接種人数推移、企業業績の堅調さから2021年度の転職市場は
年後半に向けて堅調に推移していくと想定される
詳細の解説を進めてまいります。
転職市場の動向を考察する根拠となるデータに厚生労働省が毎月発表している「有効求人倍率」があります。
まずは「有効求人倍率」をもとに考察を進めていきたいと思います。
有効求人倍率とは、求職者(仕事を探している人)1人あたり何件の求人があるかを示すものです。
一般に有効求人倍率が高いと、企業がより多くの労働者を求めており、転職市場としては活況であると言えます。
例:
某年某月の求人数が1000件、求職者数が500人だと、
1000(件)÷500(人)=2(倍) が有効求人倍率になります。
※単純な割り算をした後に季節調整をした後の数値が参考指標として利用される事が多くあります。
お正月やお盆などの社会習慣、一次産業(農業、漁業)における季節影響など、季節によって求人数、求職者数に出る変動の癖を除いた数値のことを季節調整値と言います。
基本的には季節調整値の有効求人倍率を参考にして転職市場を考察していきます。
コロナ発生(2021年1月)から現在までの有効求人倍率を観測すると、
下記推移のようにコロナ前水準に近付きつつあります。
・2020年1月・・・1.36倍→コロナ発生、有効求人倍率は下落傾向
・2020年2月・・・1.33倍
・2020年3月・・・1.30倍
・2020年4月・・・1.27倍
・2020年5月・・・1.16倍
・2020年6月・・・1.12倍
・2020年7月・・・1.07倍
・2020年8月・・・1.02倍
・2020年9月・・・1.00倍
・2020年10月・・・0.99倍
・2020年11月・・・0.98倍
・2020年12月・・・0.97倍→有効求人倍率が底をつく
・2021年1月・・・1.01倍
・2021年2月・・・1.02倍
・2021年3月・・・1.06倍
・2021年4月・・・1.12倍
・2021年5月・・・1.15倍
・2021年6月・・・1.21倍→コロナ発生前まではいかないが回復傾向
※有効求人倍率(季節調整値)、新規学者及びパートタイムを除く
▼有効求人倍率(2017年以降)
※転職市場に関連するのは「新規学卒者を除き、パートタイムを除く」チャートになります。
2021年は右肩上がりで推移しています。
さらに、リーマンショック時を振り返ると、
有効求人倍率が1.0を下回る推移となっている事から、
現在のコロナ渦による転職市場への影響は限定的と言えます。
▼有効求人倍率(リーマンショック時)
業界別に見ると、飲食・旅行業界を中心に求人数は減少し、
IT・WEB業界を中心に求人数が伸びているようです。
コロナ渦の現状を確認しながら今後の転職市場への影響を確認していきたいと思います。
▼コロナ新規感染者数
コロナ新規感染者数は記事作成時点(2021年8月7日)で過去最高の推移を示しています。
▼ワクチン接種人数累計
コロナワクチン接種人数も同様に過去最高の推移を示しています。
特に2021年6月~9月頃にかけて接種人数は最大化すると推察されます。
ワクチン接種人数が増加していく中で、経済活動の重要要素である”人の移動”は少しずつ増加していくと考えられます。
上場企業の業績回復が鮮明です。
2021年8月6日までに2021年4~6月期決算を開示した企業のうち、7割の最終損益が前年同期より改善しています。
新型コロナウイルス禍が和らぎ経済活動が活発になった海外を中心とした需要拡大で、製造業の復調ぶりが際立っています。
決算発表ピークの8月6日までに発表した3月期企業1263社(新興企業や親子上場の子会社、変則決算など除く)を日本経済新聞社が集計したところ、増益(黒字転換を含む)企業の比率は全体で70%と、四半期決算が義務化された08年4~6月期以降で最高になっています。
▼上場企業増益額ランキング
日本経済の重要要素である製造業の回復が顕著にみられます。
コロナ発生時には工場閉鎖のニュースなども散見されましたがコロナ影響の山は越えたと考えられるでしょう。
ワクチン接種状況、企業の業績回復状況を論拠として、採用活動は年後半にかけて回復していくと推察されます。
特に、コロナ渦において採用活動を抑えてきた企業は社内の人材が不足している傾向にあります。
2021年度の転職を検討されている方は、採用活動回復の波に乗り遅れないよう、転職サイト、エージェントへの登録をおすすめします。
転職活動を成功させるための要素をあえて述べると「情報をより多く収集する」「タイミングを逃さない」の2点にあります。
転職市場が回復傾向にある間は「迷ったら採用する」企業が増えてきますので積極的に動くことをおすすめします。
2021年の転職市場は基本的に回復傾向ですが、コロナ渦の状況によっては急遽低迷する事が想定されます。
突如とした求人のクローズ、入社予定の企業の業績悪化など予期せぬ事が起きる可能性を含んでいる年になります。
勝利のカギは「情報」にありますので、転職サイト、転職エージェント、知人・友人、SNSなど少しでも多くの情報をキャッチしながら慎重に転職活動を進めていくことが大切です。
転職市場動向を俯瞰してとらえたい方は下記記事もご参照ください。
【転職を検討している人向け】今の転職市場は良いのか?(2021年4月-6月)
<参考リンク>
厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/index.html
日本経済新聞(2021年8月6日記事) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC065050W1A800C2000000/
労働政策研究・研修機構 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c07.html